2026年、日本企業の経営者が向き合うべき重要テーマを7つ提示します。本記事は、当社のシニアコンサルタント陣による議論と、過去1年間の支援案件から得られた示唆に基づいています。
■ 1. 生成AIの本格的な業務統合
2025年に試験導入が進んだ生成AIは、2026年には業務統合のフェーズに入ります。重要なのは「どこに使うか」ではなく「どう組織能力を再定義するか」です。AI前提で業務プロセスをゼロベース再設計し、人の役割を高付加価値領域にシフトさせる構想力が問われます。
■ 2. 人的資本経営の実質化
人的資本可視化の制度対応は一巡しました。次は数値の改善に向けた実質的な施策が問われます。スキル可視化、リスキリング投資、評価制度刷新を、経営戦略と紐づけて運用することがポイントです。
■ 3. サプライチェーンレジリエンスの強化
地政学リスク、気候変動、サプライヤー経営不安など、サプライチェーンを揺るがすリスクが構造化しています。コスト最適化一辺倒から、レジリエンス重視への戦略転換が求められます。
■ 4. カーボンニュートラルの実装ロードマップ
2030年中間目標まで残り4年。多くの企業がScope3排出量の削減実装フェーズに直面します。サプライヤーとの協働、製品ライフサイクル全体の再設計が必要です。
■ 5. M&Aを活用した事業ポートフォリオの再構築
国内市場の成熟と人口減少を踏まえ、コア事業への集中とノンコア事業の整理が加速します。M&Aの両面(買収・売却)を戦略的に組み合わせる視点が重要です。
■ 6. 次世代経営者の早期発掘と育成
2030年に向けて、経営者世代交代の波が押し寄せます。30代後半〜40代前半の次世代リーダー候補を早期に発掘し、経営疑似体験の機会を提供することが急務です。
■ 7. デジタル前提の組織能力再定義
DX投資は十分にしたが、組織能力が追いついていない――この声をよく聞きます。技術ではなく、組織と人材の再設計まで踏み込む必要があります。
以上、7つのテーマを提示しました。どれも単独では解けず、相互に絡み合うのが2026年の経営課題の特徴です。経営層の対話の起点として、本記事がお役に立てば幸いです。